病気の症状と状態

うつ状態とうつ病

気持ちが落ち込むことは誰にでもあることです。成績が落ちたとき、仕事で失敗したとき、失業したとき、誰かと口論になったときなど、憂うつな気持ちになるものです。このようなこころの反応は生理的な現象です。

うつ状態になると、憂うつな気持ちが持続し気持ちが晴れる時間が少なくなったり、以前に比べて趣味を楽しめず、もともと興味や関心があったことにも気が向かなくなったりします。ただし、環境が変わると気分が晴れることもあります。

うつ状態のうちうつ病になると、環境が変わっても気分は晴れず、持続的に憂うつ気分は続き、何も楽しめなくなります。持続的な憂うつ気分、興味・関心の喪失や食欲低下、不眠などが一定期間続く場合は、うつ病の可能性があります。

 

うつ状態の原因になりうるもの

本人の素因に関連するもの

①パーソナリティ(感情、思考、行動などの傾向)

②知的機能(認識に関わる力)

③発達凸凹の程度

④上記以外の本人の要因

 

ストレッサーに関連するもの

①心理的ストレッサー(家庭・職場・学校の環境および人との関係)

②生物学的ストレッサー(脳や身体の疾患や薬物)

 

うつ病

うつ病の精神症状に気づく前に、身体の不調が現れることもあります。

・食欲がない

・性欲がない

・眠れない、過度に寝てしまう

・体がだるい、疲れやすい

・頭痛や肩こり

・動悸

・胃の不快感、便秘や下痢

・めまい

・口が渇く

 

うつ病の精神症状は、以下のようなものがあります。

・抑うつ気分(憂うつ、気分が重い)

・何をしても楽しくない、何にも興味がわかない

・疲れているのに眠れない、一日中ねむい、いつもよりかなり早く目覚める

・イライラして、何かにせき立てられているようで落ち着かない

・悪いことをしたように感じて自分を責める、自分には価値がないと感じる

・思考力が落ちる

・死にたくなる

 

周囲からみてわかる変化もあります。周りの人から見て「ちかごろ普段と違う」と感じる変化には以下のようなものがあります。

・表情が暗い

・自分を責めてばかりいる

・涙もろくなった

・反応が遅い

・落ち着かない

・飲酒量が増える